2008年6月14日(土)8時43分頃、岩手県内陸南部を震源とするM=7.2の地震が発生した。気象庁では、この地震に「平成20年(2008年)岩手・宮城内陸地震」と命名している。7月30日現在の被害状況(消防庁発表)は、人的被害が死者13名、行方不明10名、負傷者450名、住家被害は全壊28棟、半壊99棟、一部損壊1382棟である。被害の多くは宮城県栗原市、宮城県大崎市、岩手県奥州市でのものである。
なお、このエリアの平成の市町村合併は以下のようなものである。
当社では、地震直後に、この地震の被害の概略を把握する目的で、京都大学防災研究所の後藤浩之助教、山田真澄助教に同行する形で、地震記録の得られている強震観測点の周辺を中心として現地調査を行った。また、地震後1ヶ月たった時点で、非常に大きな地震動を記録した強震観測点とその周辺について追加調査を行っている。
(初動調査)
調査日時 : 2008年6月14日〜16日
調査メンバ: 後藤浩之(京都大学防災研究所助教),山田真澄(京都大学次世代開拓研究ユニット助教),福島康宏(日本技術開発)
調査ルート: 下記の通り。
6月14日:宮城県大崎市古川
6月15日:岩手県奥州市(衣川区,胆沢区,水沢区)→岩手県一関市→宮城県栗原市栗駒
6月16日:宮城県大崎市鳴子→宮城県栗原市一迫→宮城県栗原市築館
(追加調査)
本報告は、以上を取りまとめたものである。なお、短期間のごく限られた調査に基づくものであり、内容的に十分に詰められたものではないこと、また、誤解もあるかもしれないことをお断りしておく。
調査日時 : 2008年7月12日〜13日
調査メンバ: 山田真澄(京都大学次世代開拓研究ユニット助教),末冨岩雄,福島康宏(日本技術開発)
調査ルート: 下記の通り。
7月12日:宮城県栗原市鶯沢→秋田県雄勝郡東成瀬村→秋田県湯沢市
7月13日:岩手県奥州市衣川区→岩手県一関市厳美町祭畤
<同行メンバによる調査報告へのリンク>
1. 地震動の特徴
各機関で観測された地震動指標の分布や主な強震記録についてはこちらをご覧下さい。(PDF, 1042KB)
2. 地域別の現地調査結果
以下、地域別に(概ね市町村合併前の行政区単位で)調査結果を整理する。( )内には、その地域内の強震観測点や調査した主な被災箇所を示している。
(宮城県)
平成17年4月1日 築館町、若柳町、栗駒町、高清水町、一迫町、瀬峰町、鶯沢町、金成町、志波姫町、花山村の栗原郡全10町村が合併し、栗原市となる。合併後の人口は、約77,000人である。
平成18年3月31日 古川市、遠田郡田尻町、志田郡三本木町・松山町・鹿島台町、玉造郡岩出山町・鳴子町の1市6町が合併して大崎市となる。合併後の人口は、約137,000人である。
(岩手県)
平成17年9月20日 旧一関市と西磐井郡花泉町、東磐井郡大東町、千厩町、東山町、室根村、川崎村が合併し、一関市となる。合併後の人口は、約122,000人である。
平成18年2月20日 水沢市、江刺市、胆沢郡前沢町、胆沢郡胆沢町、胆沢郡衣川村が合併し、奥州市となる。合併後の人口は、約128,000人である。