岩手県一関市厳美町祭畤

(7月13日追加調査分)



[桂沢林道](地図中の@)
国道342号祭畤大橋の落橋により、6月の調査時点では祭畤地区にアクセスすることができなかった。
7月の調査時点では、板付-祭畤間に暫定の迂回路が開通していた。基本的に1車線分の幅の林道であるので、通行方向は時間帯により決められており、通行するには、一関市災害対策本部で通行当日に許可を受ける必要がある。天候によっては通行が許可されないこともあるようである。調査時点では林道の大半が未舗装であった。


板付側の起点

別の迂回路の工事中であった(矢櫃ダム付近)

地震後切り開いた迂回路

応急的な橋で川を渡る

祭畤側の起点

[KiK-net一関西(IWTH25)](地図中のA)
まつるべスノーランドの第2駐車場と、その下のグラウンドとの間に、KiK-net一関西の観測小屋が設置されている。
本震の震度は6強(計測震度6.3)で、最大加速度は史上最大の4000galオーバーであった。
観測小屋内の棚が飛び上がった形跡が見られたことが、既に防災科研より報告されているが、観測小屋自体に損傷は見られなかった。
観測小屋のすぐ横のトイレの建物も外見上被害は見られないが、便器が割れており、加速度が大きかったことを伺わせる形跡があった。
トイレの横にある休憩所は、柱は曲がり、梁や斜材が抜けていた。柱は、砂利の中に数cm埋めてあるだけで、容易に飛び上がったものと思われる。


KiK-net一関西

同左。防災科研が余震観測中であった。

観測小屋横のトイレ。便器が割れ、カバーは落下。

同左

休憩所。大きく変形している。

梁が抜けている

斜材が抜けている

階段の手すりが変形している

[KiK-net観測点付近](地図中のB)
KiK-net一関西観測点の北西の民有地に、10棟ほど建物がある。ほとんどが木造だが、RC造が1棟ある。
そのほとんどが被害を受けており、基礎の被害、窓の被害が多く見られた。


観測点近くのプレハブ

同左。束石の基礎に被害

上写真のプレハブの奥の建物。

周辺地盤の変状

屋根の被害

RC造の建物



周辺地盤の沈下

壁に入ったクラック

通行止になっている国道342号の亀裂。
祭畤大橋の落橋地点はこれより1km程度東。

同左

[祭畤温泉](地図中のC)
KiK-net一関西観測点より南西には、祭畤温泉の旅館などがある。建物基礎の被害が多く見られた。


祭畤温泉

壁の被害

天井パネルのはがれ

基礎の損傷

柱の基礎からのずれ

壁に入ったクラック

天井パネルの落下

擁壁の傾斜

開運神社の鳥居の被害

左の拡大写真

開運神社

神社建物基礎の被害

[まつるべスノーランド](地図中のD)
KiK-net一関西観測点よりさらに上がったまつるべスノーランドのセミナーハウス周辺では、斜面が滑っており、道路などに亀裂が多数見られた。






[真湯温泉](地図中のE)
祭畤地区の西側の真湯温泉では、RCの構造物でのひび割れやパネルの落下、周辺地盤の変状が見られた。
国道342号を挟んだ南側の別荘地では、10棟の木造建物があるが、大きな被害はない。地盤の沈下や基礎のクラック、木枠のずれといった被害が部分的に見られた。


真湯温泉の温泉センター

RCの損傷

パネルの落下

階段の損傷

真湯温泉の別荘

木製の柱の割れ

基礎の損傷

地盤の沈下


2008年岩手・宮城内陸地震トップへ