はじめに
10月23日17時56分、新潟県中越地方を震源とするマグニチュード6.8の地震が発生し、小千谷市、川口町などで大きな被害が生じた。気象庁はこの地震に「平成16年(2004年)新潟県中越地震」と命名した。
この地震について、現地調査を行ったので、被害の状況について簡単に報告する。
調査の期間とメンバは以下の通りである。
- 日時 : 平成16年10月26日深夜〜29日(現地での調査は27〜29日)
- メンバ : 東京工業大学 盛川仁助教授, 日本技術開発 福島康宏
調査報告
湯沢町〜小出町の国道17号線沿い
山の斜面崩壊が散見されたが、構造物の被害はほとんど見られなかった。
写真はこちら堀之内町
国道17号を湯沢方面から走ってきて、国道252号を越えたあたりから川口町との町境にかけて、周辺の被害が多く目につくようになった。
写真はこちら川口町
調査時点では、川口町役場の震度計で震度7を記録していたことが分かっていなかったが、調査した範囲では最も大きな被害を受けている印象を受けた。
十日町市
市の中心部を歩いて調査した。家屋の応急危険度判定結果は、大部分が「要注意」となっていた。全壊した建物は概して古いものであった。 写真はこちら
小千谷市
小千谷市では、川口町に次いで被害が大きいと感じた。
長岡市
時間的な制約で、市南西部の新幹線脱線現場、妙見堰周辺しか調査することができなかった。他地域より瓦屋根の民家が多く、屋根の被害が目立った。
写真はこちら越路町
JR信越本線来迎寺駅周辺のみの調査であったが、川口町や小千谷市に比べると被害は軽かったようで、町役場の雰囲気も、どこか落ち着きを取り戻した印象を受けた。平地が広がっているところに市街地があるため、他市町村で見られた斜面の被害が見られないことがそう思わせる要因と考えられる。
写真はこちら
おわりに
今回の地震では、強震動による構造物単独の被害も見られたが、深刻な被害の大部分は土砂災害によるものであるという印象を受けた。
なお、この報告はあくまで速報であり、間違い等あるかもしれないことをお断りしておく。今後、強震動と被害の関係について、詳細な検討が必要であると考えている。
謝辞
本調査は、東京工業大学理工学総合研究科・盛川仁先生に同行させていただいたものである。ここに謝意を表します。
文責 福島 康宏
最終更新日 2004年11月1日
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