2005年3月26日
日本技術開発株式会社

2005年3月20日 

福岡県西方沖の地震・被害調査速報


2005年3月20日に発生した福岡県西方沖の地震に対して3月21日か ら調査団を派遣、被害を調査した。被害調査は現在も継続中である。ここに紹介する被害速報は21日から2日間程度の調査結果をとりあえずの速報としてまと めたものであり、見落としている箇所、あるいは見誤っている事項などあるかもしれない。あくまで速報としてご理解いただきたい

1.      地震の概要

 2005320日(土)午前1053分頃、福岡県西方沖においてマグニチュード7.0の地震が発生、福岡市など で震度6弱 を記録した。防災科学技術研究所による余震分布を示すが、震源は志賀島から西方に斜め45度程度に傾いた延長約30kmの断層と推定されている。メカニズムとしては左横ずれ断層。この断層の 内陸側には活断層である警固断層があり、この断層の未知の延長が今回動いたのではないかとも推測されている。



防災科学 技術研究所による本震と余震の分布。中心の大きい○がM7.0の本震
 http://www.hinet.bosai.go.jp/topics/FKO20050320/
に基づく

防災科学技術研究所による断層モデル

http://www.k-net.bosai.go.jp/k-net/topics/fukuoka050320/


2.地震動

防災科学技術研究所によるKネット強震観測の解析結果はこちら(PDFファイル)


3.調査地点


4.被害状況

各写真をクリックするとその地区の状況の詳細が見れます。


百道〜姪浜〜愛宕浜(福岡市西区)

比較的最近埋め立てられた百道では福岡タワー周辺で噴砂が見られ た。しかし、地盤の沈下・亀裂などの変状はわずかで構造物の被害もほとんど見られなかった。

 福岡マリンメッセ(福岡市博多区)

中央埠頭に隣接するマリンメッセ前の埠頭及び公園において、噴砂、地盤亀裂、護岸のはら みだしなどが見られた。


中央埠頭

マリンメッセの先にある 埠頭(沖浜町)。先端部の護岸が沈下している。また、埠頭内部でも若干の噴砂、亀裂が見られた

海ノ中道海浜公園(福岡市東区)

海浜公園本体やマリン ワールドには入れなかったが、最近できたと思われる、「かも池」を中心とした、「光と風の広場」では大規模な液状化、それに伴う地盤の側方流動が発生して いた。

アイランドシティ

ごく最近埋め立てられた所。海底土砂を浚渫して 埋め立てられたと思われる。全体に噴砂もなく変状もないが、中心部の交差点の一画のみ噴砂、道路変状が見られた。交差点あるいは、それより北側の地盤が盛 り上がっているように見える。交差点下に何か構造物があるかは不明であるが、この部分の道路のみ何らかの方法で改良されていた可能性はある。


大名の被害(福岡市中央区)

天神、福岡市役所に近い繁華街、大名では建築物の被害が見られた。この街区は密集した街 区でやや古い商店などが被害を受けたようである。また、この付近を警固断層が走っており、地盤の影響もあったかもしれない。


宮浦・西浦(福岡市西区)

博多湾の西の端、今宿から糸志摩半島を北上した。半島付け根の今宿付近ではほとんど被害 は見られないが、北上するにつれ徐々に屋根瓦の彼我などが目立ち始め、宮浦(北崎)の付近ではかなりの被害が発生していた。






EJEC 地震防災分野のご紹介 へ戻る

エイト日本技術開発トップへ戻る