ワンドの生物を調査「大阪ふれあいの水辺」環境調査及び整備検討
2017.3.17
ワンドの全景
大川に残されたワンドにおいて自然環境調査を行い、その特性を踏まえた空間整備の計画を行いました。
大阪府では、水都大阪の新たな水辺の魅力づくりを進めています。その1つとして、一級河川大川(旧淀川)左岸の毛馬桜之宮公園貯木場跡では、水辺を活用し府民の方が水辺に親しみ、くつろげる空間づくりとして「大阪ふれあいの水辺づくり事業」が進められていました。ここでは、砂浜が整備された「砂浜ゾーン(愛称:桜ノ宮ビーチ)」と生物の多様性に配慮した「自然再生ゾーン」で構成されています。
特に、自然再生ゾーンでは、生物多様性が高いといわれるワンドの特性を活かした空間整備の提案が求められました。
はじめに過去に行われてきた調査結果を整理した上で、自然環境調査を実施しました。そして、調査結果を淀川下流域の生物相等と比較し、生物環境の特徴や水系内での位置づけを明らかにしました。ほぼ全区間が矢板護岸で整備された大川(旧淀川)において、石積、浅場(自然河岸)、砂浜等の多様な形状の水際が存在する唯一の緩流域であり、多くの水生生物が生息する淀川本川の城北ワンド群との共通種が多いことが分かりました。
つぎに、地元関係者やNPO団体、学識経験者からなるワークショップにて調査結果を提示し、そこで提案された地域のニーズや注意点等を踏まえ、生物とのふれあいを念頭に置いた環境整備の概要と施工計画をまとめました。そのうち環境護岸の詳細設計では、今後のヨシ植栽に向け、定着の可能性や生育可能水位を確認するため、植生実験の基盤造成を行う設計も行っています。
大阪ふれあいの水辺で確認された重要種
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クロベンケイガニ(親ガニ)
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クロベンケイガニ(稚ガニ)
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イソシギ
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カワヒガイ
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イシガイ
カワヒガイと二枚貝は共生関係
業務名 | 一級河川 大川(旧淀川)大阪ふれあい水辺環境調査検討委託 |
場所 | 大阪府大阪市都島区中野町4丁目 |
期間 | 2016年6月30日~2017年3月17日 |
事業主体 | 大阪府西大阪治水事務所 |
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