車両や船舶の通行を妨げず幹線道路の橋梁周辺を
3次元で再現。BIM/CIM設計につなげる
2024.12.27
東京都葛飾区を流れる一級河川に架かる橋梁の補修設計の基礎資料を作成するため、道路・橋梁・河床等の3次元点群データを取得し、データ合成を行うことで、複雑な地形を3次元的に再現しました。 対象の橋梁は、車や人の通行量の多い幹線道路の橋梁で、当該河川もオイルタンカーやプレジャーボート等の航行が多いため、現地作業では事故なく安全な作業を最優先とする必要がありました。また、本業務の計測範囲は道路・橋梁・河川護岸等の陸上構造物に加えて、河川内の地形も含まれていたため、地上レーザー計測、UAVレーザー計測、ナローマルチ計測(深浅測量)の3手法を組み合わせて、欠損のない3次元点群データを取得しました。 【3つの計測手法の特徴】 1)地上レーザー計測:幹線道路、歩道橋など 交通量の多い道路を、規制をかけずに計測できます。ただし、橋脚の裏など、レーザーの当たらない部分はデータを取得できないため、計測機器の設置場所に留意しました。
地上レーザー計測で取得した3次元点群データ
2)UAVレーザー計測:地上レーザー計測では取得できない橋脚、橋面橋脚側面など 広範囲のデータを上空から短時間で取得できます。レーザー照射が橋梁部分に集中するようにUAVの高度を調整飛行させて計測しました。
UAVレーザー計測で作成した3次元点群データ
3)ナローマルチ計測(深浅測量):河川内の地形 シングルビームに比べて、広範囲のデータを短時間で取得できます。浅瀬部及び護岸沿いの側面はヘッドを傾けて計測します。
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ナローマルチ計測の概念図
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ナローマルチ計測で取得した3次元点群データ
市街地かつ作業場所が増えれば、関係機関との確認や調整が増え、提出資料も大量になりますが、ひとつひとつ丁寧に対応した結果、円滑に作業を進めることができました。
また本業務は、橋梁補修設計、交通容量検討、3次元測量時の見張り・補助作業担当など、社内各部署とも連携し、総合コンサルタントの強みを活かすこともできました。
2024年度 国土交通省関東地方整備局東京国道事務所 事務所長表彰(優良業務&優良技術者)
業務名 | R4東京国道管内橋梁等補修設計業務 |
業務内容 | 橋梁および歩道橋の補修設計のうち、CIMモデルに必要な 3次元点群測量(UAVレーザー計測、地上型レーザー計測、ナローマルチ計測)を 実施した上でモデル作成を行った。 4級基準点測量 17点、3級水準測量 1.0km、地上レーザー計測 10,000m²、 UAVレーザー計測 9,000m²、ナローマルチ計測 30,000m² |
期間 | 2023年3月7日~2024年3月29日 |
事業主体 | 国土交通省 関東地方整備局 東京国道事務所 |
レーザー:国土交通省(国土地理院を含む)やJIS(日本工業規格)ではレーザと称する
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