UAVレーザー計測で災害後の河川整備計画のための
瀬替え堤防の土量把握
2020.4.1
UAVレーザー計測 |
計測後の点群データ |
点群データを使用した断面データの作成
河川の大規模氾濫や土砂災害が多発した2016年の台風10号
2016年8月に発⽣した台風10号は日本の南で複雑な動きをし、気象庁の統計開始以来初めて東北地方に上陸した台風です。この台風の影響により東北・北海道では広範囲な停電、交通機関の運休・欠航、通行止めが発⽣し、多数の死者、負傷者を出しました。
岩手県宮古市 花原市(けばらいち)地区では、台風に伴う豪雨により閉伊川(へいがわ)が氾濫し、並走する国道106号、JR山田線にも甚⼤な被害が発⽣しました。
復旧工事に使われた「瀬替え堤防」の計測
台風10号により国道106号では複数箇所で斜面崩落が発生し通行止めとなりましたが、その後の災害復旧工事により応急的な対策が行われていました。閉伊川では復旧工事の際に瀬替え堤防を設置し工事箇所から水流を遠ざけていましたが、本復旧として瀬替え堤防の撤去と河川堤防兼用道路の計画・設計や施工計画を立案するこことなり、この業務をEJECが担当しました。
これに先立ち測量チームでは現地で3次元地形測量を実施し、瀬替え堤防撤去土量の算出および本復旧の計画案検討のための基礎資料を提供しました。
河川計画での活用を見越した3次元計測
現地の水衝部は常時強い流れに晒されており作業員の立入りには危険が伴うため、遠隔でも正確な地形を取得する方法として「UAVレーザー計測」を採用しました。これにより、32haにおよぶ広域な計測範囲の現地飛行計測を1日で完了させ、数日で3次元の点群地形モデルを作成、早期に設計検討資料を提出することが可能となりました。
その後設計チームと協働し3次元地形モデルから横断図や平面図を作成、設定した河道断面案の水理計算を行い、複数の河道断面案の比較や土量計算、河道内の土量の流用・搬出を検討しました。絞り込まれた河道断面案については3次元地形モデルより詳細な縦横断図を作成しており、また工事用の図面、数量計算書作成、施工計画案の各段階で測量成果が活かされています。
業務名 | 二級河川閉伊川筋花原市地区河道断面検討業務委託 |
業務内容 | 河道復旧検討1式 |
期間 | 2019年9月6日~2020年3月20日 |
事業主体 | 岩手県沿岸広域振興局宮古土木センター |
レーザー:国土交通省(国土地理院を含む)やJIS(日本工業規格)ではレーザと称する
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