朝日が丘

【概要】
 柏崎駅の南東2〜3kmの辺りは、丘陵地域を切り開いた住宅造成地が広がるところである。2004年新潟県中越地震でも、柏崎市内では最も住宅被害が目立った地域であり、地盤工学会・2004年新潟県中越地震災害調査委員会の報告書に詳しく被害状況等が記載されている。これによれば、1975年頃に造成が完了しており、外観からも住宅はその頃に建てられたものがほとんどと思われる。
 隣のゆりが丘は,築10年以内と思われる新しい住宅が多く,被害は見られなかった。車で周辺を回った後、下の地図に記したように(A→E)のように踏査した。長峰町南半田でも同様に被害が見られた。

【被害状況】
 A地点周辺:道路や塀に亀裂が見られた。
 B地点周辺:2004年の地震で地すべりが生じ、住宅が傾くなどの被害があったエリアである。地盤に亀裂が生じ、電柱が傾くなどの被害が今回も見られた。
 C地点周辺:道路や塀に亀裂が見られた。
 D地点周辺:道路や塀に亀裂が見られた。宅地の被災度判定が始まったところで、要注意を示す黄色の紙が貼られていた。
 E地点周辺:集会所前の公園で噴砂が見られた。ここは、かつて水田であったところを埋めた場所である。尾根に挟まれた埋没谷であり、降雨が集まり易い場所でもある。


赤丸をクリックすると周辺での写真を表示します(7月21日撮影)
【造成と被害の関係】
 A、C、D、で見られた道路上の亀裂は、右の新旧地形図の比較から見ると、およそ切り盛り境界に相当しているようである。幸い今回は大規模なすべりは生じなかったが、小規模な地盤変状の影響で、宅地や住宅の小規模な被害が多く見られたものと考えられる。

地盤工学会 2004年新潟県中越地震災害調査委員会報告書より

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