都市部を流れる河川を安全に測量するために
2024.3.13
ナローマルチビームによる深浅測量
大阪府では府が管理する河川を適正に維持管理するために、5年に1度の調査を実施し、河川内の河床地形を計測して、土砂堆積状況を把握しています。
エイト日本技術開発(EJEC)では、大阪市内の都市部を流れる一級河川・大川、堂島川、土佐堀川などの計測を担当しました。対象河川には桁高が低く径間の短い橋梁が連続し、水上バスやプレジャーボートも通行するため、衝突事故などの防止対策が必要でした。加えて、潮位の影響を大きく受けることや、船着場の数にも限りがあることなどから、安全性を最優先とした調査計画を策定しました。調査実施前には関係者に案内文等を配布するなど、事前周知を行いました。
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調査対象河川
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事前に関係者へ周知
本業務では、過年度に実施された計測手法に合わせて、ナローマルチビームシステムを使用し、河床の面的な3次元データを取得しました。精度の高い堆砂量を把握でき、さらに河床地形データから河川内の異常物を発見することができました。
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ナローマルチビームで河床地形を計測
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3次元データで河川内の異常物を確認
3次元データを活用して河川管理を安全に、効率的に
本業務では、河道の維持管理ための土砂堆積量の算出に加え、取得した河床地形の3次元データ等を活用して、水面を安全に利用するための「水深情報を記載した図面」を作成しました。
この図面には、河川を跨ぐ橋梁名、道路名、橋梁の桁下の高さ、船着場、航行ルール適用区域等を表記しており、舟運などで水面を利用する方が、安全に運航するための情報となっています。今後、大阪府のホームページで、公開する予定です。
水深情報を記載した図面
近年、水都大阪再生の取り組みによって、都市部河川が賑わう一方、水面の利用形態が多様化し、重大な事故等が発生することが懸念されています。また、適正な水面利用のため、河川管理の高度化・効率化が必要とされています。
EJECは今後も、高精度な計測技術の向上を図り、河川管理業務の高度化・効率化に貢献します。
2024年度 大阪府都市整備部 部長表彰(優良業務&優良技術者)
業務名 | 一級河川 大川(旧淀川)外 深浅測量委託(R5) |
業務内容 | 深浅測量1.1km² |
期間 | 2023年10月23日~2024年3月13日 |
事業主体 | 大阪府 西大阪治水事務所 水都再生課 |
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