3次元計測による河川横断測量とダム貯水池深浅測量

2024.2.22

ダム湖を継続的に測り、貯水量の変化を把握

丸山ダムは、岐阜県加茂郡八百津町と可児郡御嵩町にまたがる、一級河川・木曽川本流中流部に建設されたダムです。木曽川の洪水調節と、関西電力による水力発電を目的とした木曽川総合開発事業の中心事業として建設され、2021年には特定多目的ダムとなりました。
エイト日本技術開発(EJEC)では、丸山ダム貯水池とその周辺域で、丸山ダムの貯水容量と堆砂量、堆砂面を含む地表形状を把握するために、河川横断測量とダム貯水池深浅測量を実施しました。
ダム湖やその周辺の3次元計測を継続的に行い、データを整備することで、ダム湖全域の土砂堆積、侵食状況の定量的な把握や、目視では確認しにくかった地形の変状を、可視化することができました。

現場に応じて計測手法を選択・提案

ダム湖の管理用道路(国道418号)は右岸側にしかなく、しかも調査時には一部崩壊して通行止めの区間がありました。また、ダム湖周辺は急峻で足元が悪く、管理用道路から各測線杭へ侵入できない状況だったため、測線間はダム湖面をボートで移動する必要があるなど、安全性や計測精度・作業効率の低下が懸念されました。
そこでEJECでは、現地計測を正確に、作業を安全かつ迅速に行える「新しい機器を組み合わせて計測する手法」を提案しました。
従来のトータルステーションやシングルビーム音響測深機による計測に代えて、3次元計測機器(Lidar計測機、UAVグリーンレーザ、ナローマルチビーム)を使用することで、劣悪な現場でも測量精度を確保し、作業効率を上げ、安全に作業することができました。また、現地作業日数も15日程度短縮することができました。

  • LidarSLAM計測機

  • UAVグリーンレーザ

  • ナローマルチビームを搭載したASV

  • ナローマルチビームを艤装したボート

業務名 令和5年度 丸山ダム貯水池測量業務
業務内容 貯水池深浅測量 86本、河川横断測量 98本、航空レーザー測量 20.85m²、
貯水容量計算・堆砂量計算 1式、ナローマルチビーム測量 0.47m²
期間 2023年6月17日~2024年2月22日
事業主体 国土交通省 中部地方整備局 木曽川水系ダム統合管理事務所

レーザー:国土交通省(国土地理院を含む)やJIS(日本工業規格)ではレーザと称する