道路法面に対する地震リスク評価手法の開発

2024.6.14

 半島地域などを含む中山間地域が大地震に見舞われると、被災地域に向かう緊急輸送路等の法面が被災し、孤立集落の発生や早期の救援・救護が困難になることが予想されます。このため、地震時の道路法面の被災の有無や被災程度を予測し、事前対策の実施や道路啓開計画の立案などにより輸送ルートを確保することは重要な課題となっています。
 この課題に対して、株式会社エイト日本技術開発(EJEC)はこれまで、群馬大学 若井明彦教授とともに、道路山側の法面・斜面を対象とした地震時の崩壊に対するリスク評価手法の開発を進めてまいりました。
 一方、開発手法は谷側の盛土法面のリスク評価が不十分な手法となっていました。

 そこで、 現在、若井教授を代表者として、公益財団法人高速道路調査会の研究助成を受け、2024年4月より道路山側だけではなく谷側の盛土法面も含んだリスク評価手法の確立を目指し、「自然斜面・切土・盛土を統合した道路法面地震リスク評価と集落孤立予測のための基礎的研究」を進めています。
 この研究成果により、道路法面の統合的な地震リスク評価が可能となります。この成果は、2024年1月1日の能登半島地震でも顕著となった地震時の道路被害の軽減・事前予防に直結するものとなります。

道路法面(自然斜面・切土法面)の地震リスク評価結果の例(種平他2022)