橋梁における第三者被害等の危険性がある損傷抽出AIの共同開発
2022.10.24
~橋梁点検においてドローンのリアルタイム空撮画像から即座に
落下等の危険性のある損傷を抽出するAIを共同開発~
2022年10月24日
株式会社エイト日本技術開発
株式会社ジャパン・インフラ・ウェイマーク
総合建設コンサルタント 株式会社エイト日本技術開発(本店:岡山市北区、代表取締役社長:小谷 裕司、以下エイト日本技術開発)と、ドローンとAIを活用したインフラ点検ソリューションを提供する株式会社ジャパン・インフラ・ウェイマーク(本店:大阪市中央区、代表取締役社長:柴田 巧、以下ジャパン・インフラ・ウェイマーク)は、この度、「橋梁における第三者被害等の危険性がある損傷抽出AIの共同開発」(以下、本AI)を行いました。この共同開発したAIを橋梁点検に活かすことで、今後、建築50年以上の橋梁増加のピーク期を迎える中、法定化された橋梁定期点検現場において、即座に落下等の危険性のある損傷への緊急対応を可能とし、事故や第三者被害の防止を実現することを目指します。
本AIの活用により、ドローンからリアルタイムで空撮画像を取得し、クラウド経由で即座に危険性のある損傷を抽出し、抽出結果を現場及び遠隔の事務所等から確認できるオペレーションや仕組みを構築してまいります。
1.背景
日本の公共インフラにおいては、老朽化、点検補修に関わる技能者の減少が社会課題となり、点検補修業務のICTを活用した効率化が社会的に求められています。
特に、橋梁は、平成31年3月の橋梁定期点検要項の改訂に伴い、従来の近接目視に変わり、点検支援技術の活用が可能になったことから、エイト日本技術開発とジャパン・インフラ・ウェイマークは、ドローン(※)を活用した点検の効率化を両者で推進してまいりました。
※2020年6月付でJIWの 「全方向衝突回避センサーを有する小型ドローン技術」が国土交通省の性能カタログ 画像計測技術(橋梁)に掲載
今後、建築50年以上の橋梁が一定ボリュームで増加し続けることから、点検業務におけるICT活用は、効率化に留まらず、老朽化や損傷の発見と対応を迅速に行うことへの活用で、事故や第三者被害の防止を実現することが求められてまいります。
そのような背景を踏まえ、ドローン撮影で点検業務を大幅に効率化した次のステップとして、両社で緊急対応等に特化したAIを共同開発し、AIによる点検業務の高付加価値化(事故や第三者被害の防止)に取り組むことにいたりました。
引用元:https://www.kkr.mlit.go.jp/road/maintenance/roukyu/genjyou.html
2.共同開発AIの概要
(1)開発内容
ドローンの空撮画像から、危険性のある損傷を抽出するAIの開発
- 5種類の損傷(鋼材/塗膜剥離、コンクリート浮き、鉄筋露出、腐食錆、補修シート内浮き)
主な抽出(AI推論)結果例
-
・塗膜剥離
-
・コンクリート浮き
-
・鉄筋露出
(2)用途や利用シーン
- 橋梁点検において、ドローン空撮によるリアルタイム空撮画像に対してAIを活用し、現場及び遠隔の事務所等から即座に落下等の危険性のある損傷を抽出すると共に、発注者への迅速な報告や修繕等の提案を想定
- 災害発生後の緊急点検等において、ドローン空撮とAIを活用した緊急スクリーニングの活用
<活用イメージ>
(3)発注者への提供価値
点検調書等の詳細報告を待たず、落下等の危険性のある損傷への緊急対応が可能となり、事故や第三者被害の防止を実現。
(4)両社の役割
エイト日本技術開発
多数の橋梁点検実績と知見による危険性の高い損傷データの提供
インフラ点検用AIの活用に関するオペレーション等検討
ジャパン・インフラ・ウェイマーク
インフラ点検向けAI開発によって培ったノウハウやデータを活用した高精度なAIの開発
インフラ点検用AIプラットフォームの提供
3.今後の展開
2022年度の橋梁点検において、順次、本AIの活用と、オペレーションや仕組みを検証しつつ、実装に向けた取り組みを進めて行くと共に、点検支援技術性能カタログへの掲載も視野にいれて取り組んでまいります。
また、本AIの品質向上、抽出可能な損傷の対象拡大、機能拡充を図ると共に、様々な点検現場や建設土木業界全体での活用拡大を志向してまいります。
4.本件に関するお問い合わせ先
株式会社エイト日本技術開発
インフラ保全事業部[担当:堀田、菖蒲迫]
TEL:086-283-5055
株式会社ジャパン・インフラ・ウェイマーク
管理部 広報担当[担当:高橋]
TEL:03-6264-4649
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