知見八鹿線整備事業 マネジメント

2007.3.31

自治体初のCM方式で実現したトンネル建設事業

知見八鹿(ちみようか)線道路整備事業2,772m(うち珍坂トンネル1,563m)は兵庫県豊岡市と養父市を結ぶ道路で、建設前は交通の便が著しく悪く廃村の危機にある集落も増加していたため、長年住民から待ち望まれていた道路です。
しかし、希少猛禽類の生息地であることや複数の市にまたがる事業であること、巨額の投資が必要な規模の大きな事業となりますが経験豊富な技術者が不足していること、厳しい工期とコスト縮減が求められることを始め、様々な課題がありました。このような厳しい事業環境の中で「低廉な価格で良質な社会資本の整備」を行うためには、詳細設計から工事完成までの間、発注者の代行者として事業を管理・運営するマネジャーが必要です。
そこで事業者である豊岡市と養父市が協議し、民間の技術を活用して技術的、行政上の課題を解決する方法として認識され始めていたCM(コンストラクションマネジメント)方式を採用することになりました。
自治体(地方公共団体)でのCM方式採用はわが国初でしたが、EJECは3年半にわたり豊岡市のアドバイザーとしてCM方式導入実施を実現させました。

CM方式ではまずCMR(コンストラクション・マネジャー)を選ぶことからはじまります。公正で透明な選考により優秀なCMR業者を選定するため、CMR応募者には事業が抱える課題や目標を正確に理解していただけるよう発注者と応募者が十分に対話する機会を設けるなど、きめ細かな配慮を心がけました。

CM方式の有効性を情報発信

当時は、CM方式が注目され始めた時期であったことから、事業者とともにCM方式のメリットや課題について積極的に情報発信し、その後のインフラ整備事業におけるCM方式普及に貢献することができました。

作品集:知見八鹿線整備事業 マネジメント
名称 知見八鹿線整備事業(CM方式)
業務名 知見八鹿線CM方式導入支援業務・モニタリング業務
場所 兵庫県豊岡市知見~養父市馬瀬
設計期間 2002年度~2006年度
事業主体 兵庫県豊岡市・養父市(共同事業)
工事概要 計画延長 L=2,772m うちトンネル部L=1,563m
明かり部 L=1,209m