雨の日も安心して歩ける明るい街に生まれ変わったウガンダ国グル市
2020.12.27
道路整備事業の様々な障害物(象は歩道にはみ出した市場入口のモニュメント)
グル市は首都カンパラから約 350 ㎞離れたウガンダ国北部に位置し、隣国南スーダンに繋がる国際幹線上にあります。このため、グル市は北部地域のみならずウガンダ国全体にとって重要な物流拠点となっていますが、20 年以上にわたる内戦により地域経済は疲弊し、維持管理がまったくなされていませんでした。道路では排水機能はほぼ消失し、舗装が剥がれ落ちるなど劣悪な状態でした。そこで、ウガンダ国ではグル市の中心市街地(計 19 路線、約 6 ㎞)の道路改良を日本の無償資金協力を活用して行うことになりました。なお、市街地周辺の道路は世界銀行支援によるプロジェクトで整備が進められており、これも無償と有償の違いはあるものの、多くが日本の支援によるものとなっています。
遅れた工程を経験豊富な技術者とITで回復
EJECでは過去に同地域の準備調査(JICA発注の概略設計:2015年3月~2016年3月)に携っていました(EJECを代表とするJV)。この調査結果を受けて確定した事業費(上限額)に基づき2国間の無償資金協力が締結され、EJECは詳細設計及び施工管理を担当することになりました。2016年9月より詳細設計を開始し、引き続き入札支援業務の後、2017年6月にウガンダ政府と施工業者との契約に至りました。当初諸手続きの遅れにより実際の工事は予定より約9か月遅れて2018年3月に開始されたため、初期より施工業者は全力投球となりました。しかし、一方で道路に並行して進行させなくてはならない電力、通信、上下水施設の移設作業(ウガンダ国の事業)ならびに上下水道の新設工事(世界銀行の事業)がまったく進まず、本件工事へ大きく影響し、工事延期を余儀なくされました。
施主となるウガンダ国政府、ライフライン敷設を担う地元グル市、その資金援助を行う世界銀行やそれを受注した他国の企業、そして現地施工業者に至るまで、それぞれに工事遅延の要因を抱える中での事業でしたが、EJECはコンサルタント業務として事業全体の実施監理を行う中、技術的な監理にとどまらず、これらすべてのステークホルダーへの働きかけを通じて工程と品質の管理を続けることにより遅れを半年程度に抑え、2019年11月27日、竣工式を迎えることが出来ました。竣工式にはウガンダ側からは公共事業大臣代理、事務次官代理、グル市長及び地域選出の議員など、日本側からは臨時代理大使、JICAウガンダ所長、施工業者、EJEC(国際支社長など5名)を含む総勢約500名が参加し、盛大なものとなりました。
このプロジェクトは内戦の歴史や地域特性に根差した都市計画を考慮した道路計画・設計を特徴としており、EJECではアフリカ各国での事業実施経験のある総括技術者のもと、経験豊かな土木技術者とITも駆使する新進の技術者を配置して対応し、最小限の工期遅延はあったものの、地域発展に寄与する道路改良ができました。
JV(joint venture ジョイントベンチャー):共同企業体
施工前
施工後
施工時
竣工式
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堀井水臨時代理大使のお祝いのスピーチ
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お祝いのトラディショナルダンス
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国家吹奏
業務名 | ウガンダ国グル市内道路改修計画詳細設計・施工監理 |
期間 | 2016年11月~2020年12月(瑕疵担保期間を含む) |
竣工式 | 2019年11月27日 |
発注者 | ウガンダ国政府 |
受注者 | EJECと日本工営のJV |
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